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2024.02.13
【事例】コンパクトな車いすを使いたい! ☆一穀米福祉用具相談員の日々☆
こんにちは、岡田です。
皆さん、節分に恵方巻食べましたか?
関西の文化がいつの間にか全国区になって、最近は節分の時期にどこのスーパーでも恵方巻を売っていますよね。
しかも具材が凝っているものも沢山あります。
ロースカツとか、韓国風とか、エビアボカドとか。
今年の恵方は東北東微東だったらしく、願い事をしながら、しゃべらずに食べきれた方は良いことがあるかもしれませんね。
自分は節分をバッチリ忘れていたので、豆も撒いていなければ、恵方巻も食べていません。
全国の渡辺さんに鬼はなんとかしてもらいましょう(?と思った人は「豆まき、渡辺」でググってください)。
さて、今回は実際にあった【事例】を取り上げて、福祉用具相談員の脳内ではどんなプロセスを経て
福祉用具の選定をしているのか解説してみたいと思います。
基本的にはお客様と話し合って、利用される方の状態や、用途、希望の形状等を確認し提案させていただきます。
今回の事例は「車いすを借りたい」との依頼です。
自分の脳内に生まれた疑問について、お客様に確認し、選定に至るまでを書いてみたいと思います。
・お客様とのアセスメント・
Q1:なぜ車いすの利用を希望しているのか?
→A:病院に行く時に、足が弱ってきて歩くのが大変だから車いすを利用したい。
車いすがあったら、旅行も行きたいね。
Q2:どういったタイプの車いすを希望しているのか?
→A:車に乗せられるのがいいね。
Q3:自分で車いすを操作しますか?
→A:出来ないと思う。
Q4:車いすを使用するのはどんな場所、状況ですか?大きい段差がある箇所を通ったりしますか?
→A:病院に行ったり、出かけたりするときに使うよ。段差は分からないなぁ。あるような、ないような...
でも、細い所は通るよ。
Q5:歩行状態はどうですか?
→A:手すりにつかまれば階段の上り下りは出来るけど、ふらついちゃうね。
誰かが隣にいるか、伝え歩きじゃないと転んじゃうと思う。疲れやすいしね。
とまあ、こんな感じでご利用される方とお話ししながら、どの車いすを提案しようか考えだします。
この方の希望として
1:車に乗せることが出来る。
2:操作しやすく、押す人の負担も軽い方が良い。
3:細い道も通る事が出来る。
この3点が優先順位の高いものでした。
まず初めにこの2種類を提案させていただきました。
①の特徴としては
・病院などにあるオーソドックスなタイプ。
・車輪が大きく、乗っている方もハンドリム(車輪の外の輪っか)で操作できる。
・後ろのハンドル部分を中へたたむことができる。
・車輪が大きい為、道の凹凸や段差がある時は介助者の負担が軽減される。
といったもので、使用したことのある方が比較的多く、機能が少なめで操作に不安の少ない物を選びました。
②の特徴としては
・移動時に介助は必要だが、ハンドリムがない分横幅が短い。
・肘置きが跳ね上げられるので、乗り降りの邪魔にならず安全に行うことが出来る。
・足置きが取り外し可能な為、乗り降りの際に引っかかり難く、コンパクトな収納が見込める。
・後ろのハンドルをたたむと更にコンパクトに収納できる。
と、車に乗せることが出来て、狭い道を通る事に重点を置いて選びました。
実際に乗って、乗り心地を試していただき、段差を通るなら負担の少ない①にしようかと
いう話になりましたが、ここで問題が発生します。
「通りたい道が狭くて①の車椅子が通れない!」
です。
実際に通りたい道の長さを測りに行ったところ
道幅が63cmないのです。
①の車椅子はハンドリムを入れると横幅が64cmあるので通ろうとすると
横の段差に乗り上げざるを得なくなります。
乗る方も押す方も不安定になって危ないので、①の車椅子は見送り、②の車椅子を数日試していただいて、
改めて別の車椅子を持参しお試しいただくこととなりました。
日を改めて、今度はこの2台をお持ちして試していただきました。
今度は通りたい道の幅がわかっている為、それも加味して選んでいます。
③の特徴としては、
・ハンドルがたためてコンパクトになる。
・足置きが取り外し可能。
・背張り調整可能で安定した座位姿勢を保てる。(背張りについては以前のブログで解説してます)
・車輪が大きく道路の凹凸が多い所では押す人の負担が軽減される。
・専用のクッション付き。
と、横幅が64cmの道でも通行可能で、コンパクトに収納可能、悪路でも介助者の負担が少なめ、
かつ乗っている方への身体の負担が軽減できる物を選びました。
④の特徴としては、
・横幅が①~④の中で最も短い。
・ハンドルがたためてコンパクトになる。
・足置きが取り外し可能。
・肘置きが跳ね上げ式。
・背張り調整可能。
・専用のクッション付き。
と、③に近い感じです。そして、平坦な道であれば車いすを押す時の力は③よりも軽いタイプです。
その代わり重量は③よりも重くなっています。
この2台も背張り調整した上で実際に乗ってどの車いすにするか決めて頂きました。
結果、③の車椅子をご利用される事となりました。
選ばれたポイントは、
・細い道も通れる。
・車輪が大きく、段差のある個所を通る時に押す人の負担が少ない。
・コンパクトにたたんで車に乗せられる。
でした。
優先順位の高い3つの理由そのままでしたね。
ただ、実際にお試しで使っていただいて、細かい操作性や重さ、機能の違いを体感していただいた結果ですので、
お客様も納得してご利用される事になったと思います。
今回は車いす選定の一事例を挙げて、相談員はどんなポイントを押さえながら福祉用具を選んでいるのか、脳内の覗き見をしていただきました。
ご利用される方の事を考えて、どの福祉用具が適しているのか、あ~でもない、こ~でもないと考えるのって
結構楽しいですよ。
先輩方に相談すると、「こんなこともあり得るから、これもいいんじゃない?」とか「これ位の身体機能があるなら
こっちの方が機能維持につながるよ」とか自分では思いつかなかった視点からの意見ももらえるので、更に面白いです。
その上商品を持って行って、お客様に「これ良いね!」なんて言われたら、もぅたまらんのですよ。
ちょっと変態チックな面が出てきそうなので、今回はこの辺で失礼します。
それではまた✋
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